東京都江東区の東京メトロ東西線木場駅から徒歩5分「來々軒」で戴くタンギョー ¥1,260

町中華愛好家たちの間では、タンメンと餃子、それをセットのように“タンギョー”と言うらしいが、恥ずかしながら全く知らなかった。

というか、略す程長くはないし普通に「タンメンと餃子」って注文すりゃあよくないか?と俺は思うのだけど、どこにでもいる通ぶって特別な名称を付けたがる輩か、オーダーを通す際の店員の呼び方が浸透したか、そんなところだろうな。

そして、その“タンギョー”発祥の店、とされているのが木場のここ、来々軒である。

発祥というのも呼称なのか、セットにしたことなのかよくわからんが、とにかく発祥なのだから巡礼せねば、と平日の夜に訪問。

待ちはなかったが、ほぼ満席な店内は活気があり、その人気が伺える。

食券を渡してカウンターで待っていると、頼んだ覚えのない野菜炒め煮?がスッと出される。どうやらサービスで出してるらしく、他の客を見るとみんなラー油を垂らして食っている。例に倣って頂くと、この自家製のラー油が実に香りがいい。材料がいいんだろうな。

それをちびちびとつまんでいるとタンメンが到着。
透き通った鶏がらスープに、塩も化調しっかりと効いていたとても好みのタイプ。
野菜も程よいシャキシャキ感。
麺はゴワッとした太麺(細麺も選べるらしい)で、これも程良い弾力で歯触りと喉越しもいい。
タンメンはシンプルな味付けだけに、この食感の多様さがあるかないかは、一杯の満足度において非常に重要な気がする。

そして餃子。

もち粉デンプンを配合した薄皮に、キャベツ多めの餡がみっちり詰まった一品。
皮はカリッとしなからもっちりとした噛応えがあり、焼く前に鶏がらスープでひと茹でしているらしく、何もつけなくても美味い。

個人的には酒無しの晩飯としては値段的に割高な気はするが、接客も気持ちがいいし人気があるのは頷ける。

創業昭和34年ということだが、先代が体調を崩し平成20年に惜しまれつつも閉店。
その後常連客の1人が先代に頼み込み、その暖簾を受け継ぐ形で復活したのが今の来々軒なんだと。

「料理は愛情」と言ったのは結城貢氏だが、俺の場合「飯屋は人情」に惹かれるな。

ごちそうさん。

住所:〒135-0016 東京都江東区東陽3丁目21−4
電話:03-6458-6368
営業時間:10:30~15:00
      17:00~20:00
定休日:水曜日/第1週・第3週の木曜日